信楽は、滋賀県北部に位置する陶器の里として知られる町です。その中心地にあるのが、「炎の里信楽の宿 小川亭」です。この宿は、100年以上の歴史を誇る純和風の旅館で、信楽焼きの陶器に囲まれた空間が広がっています。
小川亭に足を踏み入れると、まず目に入るのが正面の日本庭園です。木々の緑と石灯籠の優雅な佇まいが、訪れた人の心を静かに癒してくれます。縁側から庭を見渡せば、まるで時が止まったかのような趣きを感じられるでしょう。
客室は純和風で、襖や障子の調度品からも日本の伝統美を味わえます。しかし、古さを感じさせる部分もあり、現代的な設備が不足しているのが難点です。一方で、浴室は清潔で落ち着いた雰囲気があり、温泉を心ゆくまで堪能できます。
最大の魅力は、やはり信楽焼きを使った会席料理にあります。旬の食材を丁寧に盛り付けた料理一品一品が、陶器の心地よい質感とマッチして絶妙の味わいを醸し出します。仲居さんの愛情込めた説明もまた、料理の価値を高めてくれるでしょう。
ただし、量が少ないという声もあり、食べ足りない方もいるかもしれません。でも、ゆったりと流れる時間の中で、信楽の味覚を堪能するのが一番の楽しみ方なのかもしれません。
信楽に足を運んだら、ぜひ小川亭に立ち寄ってみてください。歴史ある町の風情と、陶芸文化に育まれた味わいに出会えるはずです。そして、心に残る思い出を手に入れられることでしょう。