京都の山科区にある「粟田口刑場跡」は、江戸時代に公開処刑が行われた場所です。現在は案内板だけが残されていますが、ここに立つと当時の重苦しい空気が伝わってくるようです。
この地は、東海道五十三次の粟田口峠(日岡峠)の中程にあたります。江戸から京都へ向かう旅人にとって、この峠は最後の難所でした。危険な山越えの末に待っていたのが、この粟田口刑場だったのです。
案内板によると、ここで処刑された人の数は恐ろしいほど多く、約15,000人に上るそうです。はりつけや火刑、獄門など、当時の過酷な刑罰が行われていたことが窺えます。
車が疾走する道路沿いにあるこの場所は、歩いていなければ気づきにくい場所です。しかし、東海道を歩く旅人の姿を想像すれば、その歴史的価値に思いを馳せることができるでしょう。
肌で歴史の重みを感じたい方は、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。ささやかな案内板から、過去の出来事が伝わってくるかもしれません。