山口県美祢市に位置する西円寺は、樹齢350年を誇る県指定の天然記念物であった桜の伝承を残す古刹です。しだれ桜の名所として知られ、春になると花吹雪の中を歩く贅沢な体験ができます。国指定の重要文化財に指定された本堂をはじめ、樹齢数百年の古木が点在する境内は、時を越えた雰囲気に包まれています。
最寄り駅は美祢市役所前駅。車で10分ほどの距離にあります。JR美祢線を利用する場合は下関駅から約1時間、徒歩で15分が目安です。車でもアクセスが便利で、敷地内に駐車場が完備されています。
西円寺の主な見所は、しだれ桜の他にも椿、石楠花、こぶし、そして紅葉と、四季折々の花々が咲き誇ります。縁結びの神様として知られるえんむすびの木もあり、恋愛成就を願う人々で賑わいます。
また、本堂の中には貴重な仏像が安置されており、その傍らでは季節ごとの行事が行われています。初夏のあじさい祭りや秋のunie祭りなど、地元の方が創り上げるイベントも見逃せません。
境内に飲食店はありませんが、ちょっとした小腹を満たすスナックコーナーがあります。特産の美祢大棚そばは地元の食材にこだわっていて、お土産にもおすすめです。お寺から車で5分ほどの場所にも、名物の肉うどんを提供する人気店があります。
春の桜の季節は混雑が予想されるため、午前中の訪問がおすすめです。一日中見所があるので、ゆっくりとした時間を過ごせるでしょう。夕方まで滞在するなら、法要や行事の予定も事前に確認しておくと良いかもしれません。規模は大きくありませんが、古さと風情を感じられる素晴らしい場所です。
悠久の歴史に彩られた西円寺は、訪れるたびに新たな顔を見せてくれます。自然と人々の営みに寄り添う姿は、都会の喧騒から離れてゆったりと過ごしたい旅行者に最適な空間を提供してくれるはずです。