山形県上山市の小さな集落・大森には、一際目を引く風景が広がっています。それは、まるで妖精の踊り場のような水芭蕉の群生地です。春になると、小川の淡い緑色の水面に可憐な白い花が浮かび、幻想的な世界が現れます。
4月から5月が見ごろとされる水芭蕉は、ほんのりと甘い香りを漂わせながら咲き乱れます。まるで小人が宿るかのような小さな花びらが無数に広がる様子は、どこか夢の中にいるような不思議な感覚に包まれます。
水芭蕉群生地は、県指定の天然記念物に指定されている場所です。水辺の散策路を歩きながら、周りの緑に映える花々の姿を感じられるのが魅力です。カメラ片手に、この世界に吸い込まれるような体験をしてみませんか。
最寄りのJR駅は上山駅。車の場合は山形自動車道「上山インター」から車で約20分の場所にあります。観光シーズンには駐車場が混雑することもあるので、できれば公共交通機関をご利用ください。
「花の時期はとてもせまく、見逃してしまうとがっかりすることも。上山在住の私の経験から、4月下旬から5月上旬にかけての早朝が、水芭蕉を最もきれいに見られる時間帯です」(上山市観光協会 津田さん)
この小さな集落に、素晴らしい自然の景観が息づいています。訪れる人には、水芭蕉のような儚く可憐な存在に出会える、忘れがたい体験ができるはずです。