各務原市の市民公園前駅は、名鉄各務原線の普通列車が停車する小さな駅です。しかし、この駅は春になると一変します。ホームを囲む数百本の桜の木々が咲き乱れ、まるで桜のトンネルができあがるのです。
朝夕の通勤ラッシュ時、赤い名鉄電車がこの桜のトンネルを行き交います。鮮やかな赤色の電車と淡いピンク色の桜が対照的なコントラストを描き出し、独特の風景美を生み出しています。
桜の開花シーズンには、多くの花見客でホームは賑わいます。地元の人たちはもちろん、県内外からも桜のトンネルを眺めに人々が訪れます。そのため、この時期は臨時の改札口が設けられ、増発ダイヤで運行本数も増えます。
満開の桜は長くは続きませんが、その一瞬の美しさに心を奪われます。赤い電車が桜のトンネルを駆け抜ける息をのむ光景は、一期一会の出会いのようでもあります。来年もまた桜が咲く日を心待ちにしながら、この短い春の訪れを満喫したいものです。