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宮島の神秘に誘われて

緑濃き龍の棲む島

大山脈の雄々しい山並みに抱かれた瀬戸内海に、まるで龍が潜んでいるかのような不思議な形の島があります。その不思議な形から「龍が棲む島」の異名を持つ宮島。島全体が厳かな雰囲気に包まれ、まるで別世界に迷い込んだかのような錯覚に陥います。

宮島の象徴ともいえる大鳥居は、潮の満ち干によって景色を変えます。干潮時には徒歩で大鳥居の間を通り抜け、眼下に広がる風景を眺めることができます。一方、満潮時には海に浮かぶ鳥居の景色は、まるで絵に描いたような美しさ。潮の満ち干に合わせて鳥居の表情を楽しむのも良いでしょう。

弁天池には、数々の伝説が伝わる「厳島神社」の弁財天社がたたずみます。池に映る朱色の社殿と、周囲の緑豊かな景色のコントラストが絶景です。神社の境内に足を踏み入れると、森閑とした空気に包まれ、ここが世界遺産に登録された理由がよくわかります。

宮島では、海の幸だけでなく温泉の恵みにも浸れます。旅の疲れを癒やしてくれるのが、景勝地「厳島温泉郷」の温泉です。酸性に近い軟水ながら、保温力と保湿力に優れた良質な湯をゆったりと堪能できます。島全体に湧く温泉を巡るのも楽しそうですね。

ゆったりとした時間の流れる宮島では、名物グルメをひと味違って味わえます。厳島神社の門前町では、あなごの稚魚料理「穴子天ぷら」や、瀬戸内の味覚が詰まった「せとうち風土菓子」が名物。一方で、島内に広がる田園風景では、素朴な田舎料理をいただくことができます。表と裏、両方の魅力を存分に堪能しましょう。

宮島の魅力は、まさに"両刃の剣"。見る角度によってさまざまな表情を見せてくれます。緑濃き自然の中で神々の祭られた世界に触れ、温泉にも浸かれるこの島で、ゆったりとした時を過ごしてみませんか。