大阪の街を歩くと、ふと目に留まる小さなお店。その佇まいからは、時が止まったかのような雰囲気が漂っています。そんな場所で出会ったのが「とりたま」です。この小さな居酒屋は、まるで大阪の下町に残された時の止まった空間のよう。
「とりたま」は路地裏に佇む、きわめてこじんまりとした居酒屋です。扉を開けると、そこには昔ながらの風情あふれる空間が広がっています。古びた木造の家具や照明、味わい深い調度品が並ぶ店内は、まるで時代の煉瓦を抱えたかのよう。
最大10席ほどの小さなカウンター席は、まるで実家のキッチンに帰ってきたかのような居心地の良さを醸し出しています。ご主人の人懐っこい接客も相まって、こころなしか顔見知りの常連さんに溶け込んでしまったような気分になれるでしょう。
メニューは看板料理のチーズたっぷりの鶏料理や卵焼きなど、こってりとした家庭料理が並びます。特に絶品なのが出汁のきいた一品料理です。濃厚でありながらも上品な旨味は、昔ながらの大阪の台所からの贈り物のよう。
時代とともに変わりゆく街並みの中で、「とりたま」は昔ながらの大阪の食文化の魂を守り続ける、かけがえのない存在なのです。下町の風情に身を浸しつつ、家庭の味を堪能できるこのお店に足を運んでみてはいかがでしょうか。