品川の路地裏に佇む寿司の名店「双葉ずし」。この地で70年近くの歴史を刻む老舗寿司店は、昔ながらの風情を色濃く残しながら、時代に合わせて進化を遂げてきました。
重厚な雰囲気の店内に足を踏み入れると、カウンター越しに佇む板前の背中が目に入ります。伝統の技が光る一貫一貫の握りに、老舗の力強さを感じずにはいられません。大将はもちろん、板前一人ひとりの卓越した腕前に酔いしれるでしょう。
双葉ずしで用いられる魚介類は、新鮮で高級なものばかり。それらを丁寧に火入れし、ネタの旨味を存分に引き出す。そこには素材を尊重し、美味を極める職人気質が現れています。たとえば、大トロと中トロの食べ比べは、それぞれの個性が際立っていて素晴らしい。
昔ながらの間接照明と、板張りの質素な内装が醸し出す雰囲気は、まるで時を止めたかのよう。しかし、そこには決して古びた印象はありません。ただただ、寿司屋本来の佇まいを感じさせてくれるのです。伝統を大切にしながらも、新しい風を巧みに取り入れている点が魅力です。
双葉ずしは、歴史と風格に裏打ちされた確かな味。寿司ファンならずとも、一度は訪れてみる価値のある名店と言えるでしょう。