江戸時代の粋を体感できる八田家書院は、笛吹市の静かな住宅街に佇む貴重な史跡です。この茅葺きの古書院は、武田信玄の家臣であった八田家の屋敷の一部として残されています。
八田家書院の玄関を抜けると、三つの間からなる本殿が目に飛び込みます。この落ち着いた雰囲気の数寄屋造りの建物は、かつて八田家が商談や接待に使っていた空間です。通常は中の間を使い、特別な客人は奥の間に通されていたそうです。簡素な造りながらも、力強さを感じさせる書院内部は、この一族の夢と志を物語っています。
八田家書院を訪れる人の多くは、美しい庭園の紅葉を目当てにしています。秋になると、書院を取り囲む庭が鮮やかに色づき、まるで別世界に迷い込んだかのような素晴らしい景色が広がります。門からの眺めはとりわけ見事で、散策しながら紅葉を堪能するのがおすすめです。
八田家書院は笛吹市石和町にあり、最寄りのJR石和温泉駅から車で10分ほどの場所にあります。開館時間は9時から16時(入館は15時30分まで)で、月曜日と火曜日が休館日です。拝観料は大人200円が必要ですが、外からの庭園の眺めは無料で楽めます。受付では無患子のお土産をいただけるそうですよ。
歴史に思いを馳せながら、のんびりと庭園の紅葉を眺めるのはいかがでしょうか。八田家書院で、ひとときの和の粋を体感してみてはどうでしょう。