金沢は、古都ならではの歴史と文化が色濃く残る街です。歩けば町家や茶屋がずらりと並び、趣のある風情が感じられます。こうした街並みの中で、金箔や加賀料理、雪吊りなど、金沢を代表する伝統文化を体験することができるのが大きな魅力です。
金沢は世界有数の金箔生産地として知られています。金箔の製造技術は江戸時代から受け継がれており、熟練の職人さんによる手作業で一枚一枚丁寧に作られています。金箔工房では、その製造工程を間近で見学できるほか、金箔を使った体験教室も開かれています。自分で金箔を叩いて細く伸ばしたり、金箔をちりばめた美しい絵馬づくりを体験できます。
金沢は「食の都」とも呼ばれ、加賀料理をはじめとする味覚の宝庫です。鮮度抜群の海の幸に加え、ふんだんに使われる昆布や白味噌など、地元の味を存分に楽しめます。特に夏場は、うなぎ料理を提供する老舗が多数軒を連ねています。みつ焼きの香ばしい香りと甘辛いタレにたっぷりと絡んだ柔らかな身は、格別の美味しさです。
金沢の冬は雪に彩られます。雪の日に街を歩けば、雪吊り(ゆきつり)の風情が味わえます。これは、町家の軒先から垂れ下がった雪の塊が通行人に落ちないよう張り出した棚で、伝統的な町並み保護の知恵です。雪吊りの下を通る際には、一瞬、時空を超えた気分に浸れるかもしれません。この独特の情緒が、冬の金沢を訪れる醍醐味の一つでしょう。
金沢には、こうした魅力的な体験がいくつも用意されています。歴史ロマンあふれる街なかを散策しながら、五感で金沢の伝統に触れてみませんか。