まるで時が止まったかのような静寂に包まれた十和田市郷土館。この小さな博物館には、十和田の大地が育んだ数多くの歴史的・文化的遺産が収められています。入場無料ながら、古来の生活用具から縄文時代の土器、馬具に至るまで、十和田が歩んできた長い歳月の軌跡が肌で感じられます。
博物館のスタッフさんは、訪れる人々に対して丁寧で心のこもったおもてなしの心を持っています。十和田の歴史に精通した方々が、展示品一つ一つに込められた意味を熱心に説明してくれるので、単なる"見学"ではなく、実りある"学び"の機会となることでしょう。
郷土出身の哲学者・教育者である新渡戸稲造は、その功績が高く評価され、現在の5000円札の肖像にも採用されています。郷土館では、新渡戸家に関する資料を展示しており、その境遇や思想に触れることができます。ここに来れば、十和田が生んだ大先達の精神世界に思いを馳せられるに違いありません。
十和田に足を運んだなら、是非この郷土館に立ち寄ってみてください。大自然の畏れとともに、この地に息づく人々の知恵と生き様に出会えるからです。