奈良には歴史ある老舗の和菓子店がたくさんあり、それらの店で味わえる上品な風味と繊細な味わいは、旅行者を虜にしてしまいます。その一つが、脇戸町にある「寧楽菓子司 中西与三郎」です。この店は大正2年創業の由緒ある老舗で、奈良町家の風情漂う店内は、出来立ての和菓子を堪能するのにぴったりの空間です。
「寧楽菓子司」の魅力は何と言っても季節感あふれる生菓子にあります。節分には赤鬼と青鬼をかたどった可愛らしい生菓子が、冬には椿の花を思わせる上品な生菓子が登場します。旬の食材を使い、日本人の心に響く繊細な味付けが光ります。
生菓子以外でおすすめなのが、この店自慢の「大和茶わらび餅」です。プリプリとした食感とほんのり苦みを感じる大和茶の味わいが絶品。昔ながらの製法で作られたわらび餅とあんこの相性も抜群で、一口食べれば時空を超えた心地よさに包まれます。
「寧楽菓子司」では、ほかにも昔ながらの製法で作られた求肥や羊羹など、様々な和菓子を味わえます。中庭の緑を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごせば、奈良の伝统文化に思わず酔いしれてしまうことでしょう。季節ごとに表情を変える風情ある空間と、時代を超えた味わいに、旅人の心は虜になるに違いありません。