長良川は、岐阜県を優雅に流れる川です。しかし夜になると、この川沿いは趣の異なる光景が広がります。1300年もの歴史を誇る「長良川鵜飼」が幕を開けるのです。
鵜飼とは、鵜(うみ)と呼ばれる海鳥を使って魚を捕る、日本の伝統漁法です。長良川鵜飼では、海鵜の嘴が魚を傷つけないよう細かくしつけられています。鵜匠の手さばきで、複数の鵜を操り、魚を追い込む様は見事の一言。
夕闇が落ちると、舟に乗った鵜匠たちの火把りが川面を彩ります。踊り舟の華やかな演舞、そして鵜飼舟がやがて現れ、鵜の鳴き声が響き渡ります。間近に見る炎の輝き、水しぶきの飛沫、熟練の技に酔いしれることでしょう。
クライマックスは、6隻の鵜飼舟による「総がらみ」。一斉に鮎を浅瀬に追い込む圧巻の光景は、長良川鵜飼だけの醍醐味です。岐阜城の夜景と星空がバックに広がり、幻想的な舞台は最高潮に達します。
運行期間は5月11日から10月15日。乗合船に乗ればリーズナブルに、貸切船なら極上の体験が約束されています。伝統の技と美しさを体感する絶好の機会です。観光ついでに立ち寄るのはもちろん、鵜飼のために岐阜を訪れるのも素晴らしい選択肢でしょう。