横浜の下町・鶴見にあるラーメン店「らー麺土俵 鶴嶺峰」は、元横綱力士の店主が営む名店です。店内に足を踏み入れると、相撲に関するBGMが流れ、力強い雰囲気に包まれます。
このお店の最大の魅力は、伝統のつけ麺とユニークなトッピングの組み合わせにあります。直球勝負のつけ汁は、煮干しのエグ味がなく、素材の旨みと甘みのバランスが絶妙です。一方、麺やトッピングには個性的な新作が揃っています。
店主の英知が光る"つけ麺の麺"は、全粒粉入りの太麺ながら、なめらかでツルツルとした食感が魅力です。噛むごとにモチモチした弾力が味わえ、つけ汁を絡めると一層美味しさが増します。
さらに目を引くのがトッピングの数々です。つくね、チャーシュー、ほうれん草のごま和えなどの定番に加え、もち巾着や粉チーズ、油揚げなど、珍しい食材を組み合わせた創作トッピングが登場します。
このお店の麺料理は、見た目以上のボリュームがあります。幕内(並盛り)でも250gの大盛りサイズ。さらに大食漢向けに、小結や横綱サイズも用意されています。おじっとめしという、粉チーズを入れた締めのリゾット風ご飯も、満腹感をさらに高めてくれます。
外国人スタッフの手探りな日本語に親しみを覚える一方、店主の凛とした接客には圧倒されます。特筆すべきは、注文前に食券を購入する独自のスタイル。列が出来た際は、未購入の列と購入済みの列に分かれます。このシステムを理解しないと、並び直しを命じられてしまうので要注意です。また、混雑時は小学生以下のお子様のご入店をお断りするなど、大人の空間を大切にする心くばりが伺えます。
横綱の風格と勘に育まれた伝統の味わいと、自由な発想から生まれた創作トッピングのマリアージュ。多くの常連客に愛される「らー麺土俵 鶴嶺峰」は、訪れる価値が十分にあるラーメン店と言えるでしょう。