湯田中渋温泉郷へと続く小路の入り口に佇む、木造の華やかな門構え。ここから始まる温泉街の風情に、思わず心が踊ります。
JR湯田中駅から徒歩すぐ、この「湯田中渋温泉郷ゲート」を潜ると、やがて古里の情緒に包まれた温泉小径が広がります。木造の湯宿が幾つも軒を連ね、のどかな流れの温泉川が脇を行きます。歩を進めば、湯けむりと甘い香りが漂う、まるで昔ぶりに戻ったかのような世界へと迎えられます。
温泉郷に足を踏み入れると、なんと野生の猿の親子が現れるかもしれません。湯けむりの中、木々の間からこちらを覗き込む姿は、妙に情緒的。猿たちも温泉の湯に身を沈め、湯治にやってきた人々と同じ至福の時を愉しんでいるよう。
春になると、この小径は、淡い色合いの桜並木に包まれます。風に舞う散り桜が情緒を醸し出す中を、のんびりと歩を運ぶのも一興。湯畑の白煙が桜色に映え、幻想的な情景が広がります。
この門から先は、時間が止まったかのような、のどかな湯治の世界。湯上がりに外湯めぐりを愉しみながら、心ゆくまでその風情に浸るのはいかがでしょうか。