富士市東部の静かな住宅街に佇む、山の神古墳。この前方後円墳は6世紀後半に築造され、当時のスルガ(現在の静岡県東部)を治めた豪族の王墓と考えられています。歴史的価値の高い遺構ではありますが、一部が鉄道敷設で失われるなど、時の厳しい風化に曝されてきました。
かつては葺石で全体が覆われていた墳丘の一部が残り、東西約25m、南北約15mの規模を窺わせます。古墳本体の前面には参道跡も確認されており、当時の造営の様子が偲ばれます。
古墳は住宅地の中に佇みながらも、周囲の田園風景とうまく調和しています。参道跡が残る東側は線路沿いの草地になっており、散策を楽しむこともできます。静寂な空間で史跡と緑に囲まれる体験は、都会的な喧騒から離れた癒やしの時間を提供してくれます。
古墳のすぐ近くには人気の和菓子店もあり、ご利益を願ってから甘味を味わうのも一興でしょう。富士山の恵み豊かな食材を使った郷土料理店も点在しており、散策の後に立ち寄るのがおすすめです。
JR富士駅から徒歩約20分の場所にあり、富士ICからも車で10分程度とアクセスは良好です。周辺に駐車場はありませんので、できれば公共交通機関をご利用ください。
六世紀の歴史を今に伝える重要遺産と、恵まれた自然環境が融合した魅力的な観光スポットです。皆さまもぜひ訪れて、歴史と自然を満喫していただければと思います。