瀬戸内海の多島美を体感できる尾道市。そのひとつの小さな島に佇む善立寺は、時を超えた歴史と静けさに包まれた、まるで別世界のような空間です。
橋を渡り、鳥居をくぐれば、そこはまるで古刹のよう。苔むした参道を進むと、朱色の本堂が目に飛び込みます。1335年の創建と伝わるその佇まいには、歴史の重みを感じずにはいられません。
本堂の中は無住の佛舎ですが、定期的に法要が営まれています。しずしずと燻る線香の香り、読経の声が静寂に包まれた境内に響き渡ります。ゆったりとした時の流れに身を任せれば、現世の喧騒はかすんでいきます。
境内から望む瀬戸内海の景色も堪能できます。島々が点在する穏やかな海と、青空がひとつの絵になって広がります。日の出、日の入りの景色はまた格別です。
善立寺は本州と離れた小さな島にあり、船でのアクセスが一般的です。尾道駅から徒歩10分程の御調八丁おりば沖から定期船が出ています。宿泊施設は島内に限られますが、尾道市内の宿から日帰りでも訪れられます。自然豊かな島を散策するのもお勧めです。
善立寺は瀬戸内海の小さな宝石のような存在。時が止まったかのような静寂の中で、心に残る瞑想的な体験ができるはずです。