黒石市の静かな路地を進むと、まるで時が止まったかのような佇まいの古民家が目に入ります。それが「weekend cafe はつこま」です。かつては酒蔵として利用されていたこの建物は、地域に根ざしたNPO法人によって大切に守られ、今ではカフェとして生まれ変わりました。
入り口をくぐると、木の温かみと蔵の趣きが漂う空間が広がります。天井を覆う濃い色の梁、掘りごたつ式の座席もそのままの姿を残し、昔ながらの雰囲気を醸し出しています。そこには旬の食材を活かしたシンプルながらも風味豊かな料理が並び、地酒とのマリアージュを楽しむことができます。
「懐かしさと新鮮さが同居する、不思議な時間が流れています。大人の隠れ家のような、ゆったりとした空間です」
カフェを運営するメンバーは、地域に根付いた活動に熱心です。地元食材にこだわりながら、季節ごとに変わるメニューを提供しています。訪れる人々に黒石の魅力を伝えていく想いが、ひとつひとつの料理に込められています。
週末だけ営業しているこのカフェは、ゆったりと地元の風情を味わえる魅力的な場所。普段見逃しがちな黒石の一面を、五感で楽しむ贅沢な時間を過ごせるでしょう。時には足を運び、懐かしい酒造りの心躍る風情に触れてみてはいかがでしょうか。