奈良県の大和郡山市にある番条町は、かつての城下町として栄えた歴史ある場所です。この町の路地裏に、ひとつ不思議な石像が佇んでいます。それが「猿の像」と呼ばれる石造りの猿の姿をした像です。
狭い路地を曲がると、立派な門構えの町家の前庭に、背中を丸めた猿の石像が目に入ります。この像は番条町の古い町並みにぴったりと溶け込んでいて、まるで長い年月をこの地で過ごしてきたかのようです。
周囲を見渡せば、素晴らしい伝統的な町家が建ち並び、時が止まったかのような独特の雰囲気が漂っています。そんな風情あふれる環境に、ひとり佇む猿の像は不思議な趣を醸し出しています。
猿の像の正確な由来は分かっていませんが、おそらく古くから番条町に住む人々の間で大切にされてきた存在なのでしょう。猿は昔から知恵や長寿の象徴とされてきました。この石像が町家の守り神として、あるいは家運を呼び込む的な役割を担ってきたのかもしれません。
いずれにしろ、この猿の像は番条町の歴史的町並みの一部となり、町のアイデンティティを体現する存在へと成長した感があります。静かな路地裏に佇むこの不思議な石像は、奈良の魅力を象徴する風物詩の一つと言えるでしょう。