京都の東山区に位置する智積院の宝物館は、日本を代表する障壁画の宝庫です。この小さな宝物館には、桃山時代を彩った長谷川等伯親子の傑作が数多く収蔵されています。
新しく建て替えられた展示室では、障壁画の細部まで間近で鑑賞できます。低反射ガラスを通して、胡粉による桜の艶めく色彩や、絢爛豪華な金銀砂子の輝きを存分に堪能できるでしょう。中央に設置されたソファーに腰掛けると、まるで絵の中に入り込んだかのように作品の世界観に浸ることができます。
智積院の名勝庭園には、本物の襖絵の精巧な複製が飾られています。まず庭園を一巡して華やかな複製作品を鑑賞し、その後宝物館へと足を運べば、本物の素晴らしさに改めて感動することでしょう。時間に余裕のある方は、館内で上映されている智積院の歴史を紹介するビデオを先に見学するのもおすすめです。
長谷川親子の作品は、桃山文化の精華を体現する国宝中の国宝です。宝物館では、適切な温湿度管理の下で作品を保存し、後世に引き継いでいく取り組みが行われています。500円の入館料は、この偉大な芸術作品を未来へと繋ぐための小さな一助となります。
智積院を訪れた際は、ぜひとも宝物館での作品鑑賞を心に留めてください。京都の文化を華やかに彩った名品に触れる絶好の機会をお見逃しなく。