出雲は日本有数の古代文化の地として知られ、多くの史跡が残されています。その中でも、「塚山古墳」は特に注目に値する存在です。なぜなら、この6世紀中ごろに造営された後期古墳が、まさかの住宅街の中に佇んでいるからです。
塚山古墳は、出雲市の閑静な住宅地にポツンと現れます。民家やマンション、駐車場に囲まれながら、当時の石室がしっかりと保たれているのが分かります。檻の隙間から中を覗けば、奥深い古代の気配に触れられるでしょう。
子どもの頃から近所を駆け回っていた人もいるかもしれません。そんな人にとって、自分の遊び場が実は古墳だったと知ったときの驚きは計り知れません。しかし、それも無理はありません。都市部に古墳が残されていることは珍しいですが、出雲ではむしろ当たり前の風景なのです。
塚山古墳を見れば、出雲には至る所に遺構が点在していることが分かるでしょう。市内を自転車で散策すれば、古墳や石室、横穴式住居などに次々と出くわすことができます。太古の時代の息吹を感じながら、ゆっくりと巡る旅は、まさに古代ロマンそのものといえるでしょう。