東京の中心部、ファッションの聖地として知られる原宿。その賑やかな通りを少し外れると、思いがけない場所に日本文化の宝庫が潜んでいます。ラフォーレ原宿の裏手に佇む太田記念美術館は、浮世絵を中心とした日本の伝統美術を堪能できる、知る人ぞ知る名所なのです。
美術館はこじんまりとしていますが、その分野に特化しているからこそ、質の高い展示を楽しむことができます。地下1階、1階、2階の3フロアに分かれた展示スペースを、ゆったりと1時間ほどかけて巡ることで、江戸時代の庶民文化に深く触れることができます。
ここでは、歌川国芳や月岡芳年といった有名浮世絵師の作品を間近で鑑賞できます。繊細な線の美しさ、鮮やかな色彩、そして当時の流行や風俗を映し出す題材の面白さ。浮世絵の持つ多面的な魅力を、存分に味わうことができるでしょう。
太田記念美術館の魅力の一つは、定期的に開催される特別展です。「浮世絵お化け屋敷」や「広重ブルー」、「江戸メシ」など、ユニークなテーマで企画される展示は、何度訪れても新たな発見があります。
展示を楽しんだ後は、ミュージアムショップで江戸の雰囲気漂うお土産を選ぶのも一興。地下には「かまわぬ」の手ぬぐいショップもあり、現代にアレンジされた江戸の文化に触れることができます。
原宿駅から徒歩圏内という便利な立地ながら、街の喧騒から離れた静かな環境にあります。混雑を避けたい方は、平日の午前中がおすすめ。また、山種美術館などのチケット半券を持参すると割引が適用される場合もあるので、お得に楽しむことができます。
太田記念美術館は、現代の東京で江戸の粋を感じられる貴重なスポット。原宿でショッピングを楽しんだ後、ひと息つきながら日本文化に触れる。そんな新しい東京の楽しみ方を、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。