こちらが京都の東福寺にある東司について書いた観光記事です。
京都には世界文化遺産に登録された神社仏閣が数多くありますが、東山区の東福寺にある「東司」は意外な人々に知られていない隠れた名所です。この建物の由緒と独特な風情をご紹介しましょう。
東司は、室町時代の1415年に建てられた国の重要文化財です。外観は質素ですが、中に入ると土間の中央に通路が作られ、その両脇に円筒形の壷が無数に並んでいます。これらは、この場所が当時の禅宗様が修行の一環として用を足した場所であったことを物語っています。
修行の間、僧侶たちは決して外に出ることができず、この東司でつつましく用を足したのです。控えめな佇まいの中に、禅の教えに従う者の強い心構えと生き方が表れているように感じられます。
東司の周りには、見事な松や樹々が生い茂っており、その景色は言葉を失うほど美しいものです。趣のある銀色の屋根と樹々のコントラストは絶景と言えるでしょう。周囲の静けさと相まって、ここは京都ならではの景観が味わえる贅沢な空間なのです。
残念ながら最近事故で一部損傷がありましたが、修復が行われ元の姿を取り戻すことが期待されています。一度は訪れてみる価値がある、京都の隠れた名所であることは間違いありません。