大阪の夜を彩る屋台の賑わいの中で、ひときわ目を惹くのがこの小さな屋台だ。人々が次々とやってくるその様子からは、伝説の味が隠れているに違いない。
焼き立ての香ばしい香りに誘われ、大将の前に立つ。すぐそばでくるくると回される鉄板の上で、たこ焼きの生地が次々と半球の形を作り出していく。老舗の匠の手さばきが織りなすたこ焼きは、まさに芸術品そのもの。
屋台の大将は、おいしさへのこだわりを貫く。たこは関西近海の新鮮なものを使い、その他の素材にもこだわりぬく。そして最も重視するのが"火加減"。鉄板の温度を微妙に調節し、外はカリッと、中はトロリとした絶妙な食感に焼き上げる。
味付けは定番の"つゆ"のほかにも、大将の気まぐれで変わるシークレットメニューが。気さくな大将に聞きながら、一品一品の味わいを堪能するのが醍醐味だ。たこ焼き職人の匠の技と情熱に出会える、この場所は阿倍野の宝物といえるだろう。