松本市の中心部から少し離れた場所に、静かに佇む筑摩神社。その歴史は794年にまで遡り、松本の地に深く根付いた由緒正しい神社です。京都の石清水八幡宮から御分霊を勧請したとされ、かつては「筑摩八幡宮」や「国府八幡宮」としても知られていました。
筑摩神社の最大の見どころは、何と言っても国の重要文化財に指定されている本殿です。1439年に再建されたこの建物は、室町時代の建築様式をそのまま残しており、松本地方最古の建造物としても知られています。さらに、1610年に建てられた拝殿も長野県の宝に指定されており、歴史的価値の高さを物語っています。
境内には、かつて筑摩神社の別当寺であった安養寺の鐘楼や神門、鳥居なども残されています。さらに興味深いのは、境内隣にある「飯塚(首塚)」です。ここには、坂上田村麻呂率いる大和朝廷軍と戦った「魏石八面大王」の首が埋められたという伝説が残っています。
都会の喧騒から離れ、歴史の重みを感じられる筑摩神社は、ゆったりとした時間を過ごすのに最適な場所です。松本城よりも古い建造物に囲まれながら、静かに佇む時間は特別な体験となるでしょう。
筑摩神社は、松本観光の隠れた名所と言えるでしょう。歴史好きはもちろん、静かな時間を求める方にもおすすめの場所です。松本を訪れた際は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。