垂仁天皇は日本の古代史に大きな影を落とした君主です。彼の治世は1世紀近く続き、国家形成に多大な貢献をしました。今回は垂仁天皇ゆかりの地を訪ね、その生涯に思いを馳せてみましょう。
奈良県桜井市の住宅街に佇む石碑。これが垂仁天皇が造営した「纒向珠城宮」の跡だと伝えられています。遺構はほとんど残されていませんが、天皇が実在したことを物語る貴重な史跡です。
垂仁天皇は農業の振興にも尽力しました。日本で初めての本格的な灌漑事業に着手し、川から水路を引き、畑への給水システムを整備したと伝わります。現代に続く農業基盤の礎を築いたのです。
面白い逸話もあります。天皇の前で最初の相撲取組が行われたと『日本書紀』に書かれているのです。ノミノスクネとタイマノケハヤの名前が残り、相撲の源流がここにあったと伝承されています。
歴史の深みを感じる垂仁天皇ゆかりの地を訪ねると、たくさんの発見があるはずです。古代の偉人の息吹を体感できる、奈良ならではの旅となるでしょう。