古き良き昔の風情を残す下関市街地の一角に、趣ある日本家屋がひっそりと佇んでいる。それが「お宿 垢田の杜 桂月」である。この宿は、明治期に建てられた旧家をリノベーションしたものだ。
玄関を潜ると、重厚な欄間に彫り込まれた家紋があなたを出迎える。靴を脱ぎ、長い廊下を進むと、広々とした書院が現れる。掃き出し窓からは庭園の緑が目に入り、窓際の行燈に投影された影絵が優雅な情緒を醸し出す。
客室は書院を含め全7室で、どの部屋も趣が異なる。昔ながらの数寄屋造りを大切に保ちつつ、現代の暮らしやすさを取り入れた心地よい空間だ。
桂月では、新鮮な地元の食材を用いた会席料理が振る舞われる。器の選び方、盛り付け、一品一品に職人の技が光る。時に遊び心も感じさせる創作料理は、目でも舌でも堪能できる。
メニューは季節ごとに変化するが、春はふくらは田舎のぶり、夏は下関の名物「ごっつぉ煮」、秋は下関産の天然ぶりの造りが名物だ。さすがJRの「ご飯のおいしい宿」に選ばれた実力の賜物だろう。
JR下関駅から徒歩15分ほどの立地にある。下関空港やフェリーターミナルなどからも近く、交通の便に恵まれている。電車で来る人は、近くの神綾川を歩いてみるのもおすすめだ。
宿泊は、お一人様16,000円(税サ込)からの宿泊プラン。トリップアドバイザーでも高い評価を得ており、下関を味わう絶好の機会となりそうだ。