香川県高松市にある石匠の里公園は、かつて牟礼地域で栄えた石切り業の面影を色濃く残す場所です。この地は古くから良質の花崗岩が採れることで知られ、近世には多くの石工たちが集まりました。公園内には、当時の石切り小屋が再現されているほか、石工道具一式も展示されています。
園内を散策すると、まず目に飛び込んでくるのが立派な石切り小屋の佇まいです。この小屋は実際に使われていたものを移築したもので、内部では石工の生活用品なども展示されています。小屋の中に入ると、かつて職人たちが汗を流した様子が目に浮かぶかのようです。
さらに奥を進むと、石切りに使われた道具一式が並んでいます。鉄のクサビや大き鼻、丸鑿や平鑿など、これらの道具に手を触れると、職人気質の鋭い感性が手に伝わってくるようです。一つ一つの道具に込められた石工たちの技と熱意に思いを馳せずにはいられません。
公園では、石に関する様々な体験コーナーも設けられています。ストーンハンティングでは、採石場の中を探検し、自分で石を見つけて持ち帰ることができます。また、石彫や石拓といった石工体験も用意されており、普段は触れる機会のない石の文化に直に触れられます。
石匠の里公園は、ただの公園ではありません。かつて牟礼を支えた石切り業の歴史と伝統に思いを馳せながら、石文化の魅力を楽しめる貴重な場所なのです。