江戸時代の農家を改装した趣のある蕎麦屋「滝野庵」。茅葺き屋根と木造の佇まいが、時を経てもなお色濃く残る北海道の田舎町にたたずむ。
店内に足を踏み入れると、太い木の梁と土壁が趣きのある雰囲気を醸し出す。昔ながらの調度品がそこかしこに置かれ、まるで時空を超えて江戸時代にタイムスリップしたかのよう。
そんな風情ある空間で供されるのが、店主の手打ちする香り高い蕎麦だ。細く丁寧に切られた麺は、噛めば噛むほど甘みを増す。山菜を少し添えた冷やしたぬき蕎麦は、辛子を振りかけ、揚げたての天かすを混ぜながら味わえば絶品の一杯。
蕎麦に欠かせないのが天ぷらだ。衣は薄くサクサクで、旬の食材の味を存分に堪能できる。地元で採れた山菜や魚介の季節替りの天ぷらは必食。
こんな美味しさの理由は、滝野の地から湧き出る名水にある。店主は「水がおいしければ、蕎麦も天ぷらも美味しくなる」と太鼓判を押す。
時代を超えた風情と、自然の恵みいっぱいの料理が味わえる「滝野庵」。田舎の隠れ家的な魅力に、誰もが虜になること間違いなし。