炭酸泉の湧く有馬温泉は、古く江戸時代から湯治場として栄えてきました。温泉街の一角に佇むタンサン坂は、その由緒ある地の魅力を凝縮した小径です。
タンサン坂は、宿場町の面影が残る石畳の急坂です。一歩一歩が地元の人々の息吹を伝えています。力強く突き抜ける石畳には、訪れる人々を癒してきた温泉の恵みが宿っているかのようです。
石垣に覆われた坂を登りきると、炭酸泉源公園が現れます。かつては毒水と恐れられた泉は、今や健康に良いとされる炭酸泉として注目を集めています。シュワシュワと湧き出る泉を眺めながら、ゆったりとした時間が流れます。
桜の名所でもあるタンサン坂は、四季折々の表情を見せてくれます。花びらが舞い散る春、新緑が眩しい初夏、紅葉が燃えるよな秋、そして厳かな冬。訪れる度に異なる情景に出合え、古きよき日本の情緒に酔いしれられるでしょう。
静寂に包まれたタンサン坂は、有馬温泉の歴史と文化が凝縮された小径です。ゆったりと坂を上り、温泉の源を訪ねる。そこには、日本の原風景が待っています.