京都の北、鞍馬山の中腹に佇む鞍馬寺。この古刹は奈良時代から修験道の霊場として知られ、数多くの仏像や文化財が伝わってきました。中でも国宝「毘沙門天立像」は、その堂々たる風格と緻密な彫刻技術に目を奪われます。仏像を間近に拝観できる機会は滅多にありません。この絶好の機会に、祈りの心を込めて仏像の細部にも注目してみてはいかがでしょうか。
鞍馬寺霊宝殿は、仏教文化財のみならず、鞍馬山の自然についても学ぶことができる博物館です。館内では、この地域でみられる植物や昆虫、岩石などの標本を展示しています。自然の神秘に触れながら、京都の奥座敷である鞍馬の大自然を体感できるでしょう。
鞍馬山は、太古の昔から修行の地として崇められてきました。深い緑に包まれた参道を歩きながら、木々の息遣いに耳を傾けてみましょう。籠もる空気の中に、仏教の教えと自然の賛歌が漂っているように感じられるかもしれません。一歩一歩、心を凝らして歩めば、日常を離れた別世界に足を踏み入れられるに違いありません。