善通寺市の小高い丘に佇む王墓山古墳は、四国で初めて発見された前方後円墳として、歴史ファンの心を掴んで離しません。古墳時代後期に築かれたこの古墳は、その独特の形状と貴重な遺構で、考古学的に非常に重要な意味を持っています。
王墓山古墳の玄室に存在する石屋形は、四国では初めての発見として注目を集めています。この石屋形は九州地方に多く見られる特徴で、なぜ四国にあるのか?その謎は歴史家たちの好奇心をくすぐります。ライトアップされた石屋形は、古代の技術と美意識を今に伝えています。
古墳の頂上からは、善通寺市内を見渡す絶景が広がります。特に、善通寺の五重塔が遠くに見える様は圧巻です。歴史と現代が交差する景色は、訪れる人々の心に深い印象を残すことでしょう。
後円部の斜面下には、弥生時代の集団墓地が発見されました。竪穴式石室、箱式石棺、土壙など、様々な埋葬形式が見られるこの場所は、日本の埋葬の歴史を学ぶ上で貴重な資料となっています。
駐車場から古墳頂上まで徒歩1分という驚くほど便利なアクセスは、この古墳の大きな魅力の一つです。整備された階段を使えば、誰でも簡単に頂上まで登ることができます。
古墳の保存のため、一部エリアへの立ち入りは制限されています。しかし、遊歩道として整備された部分を歩くだけでも、十分に前方後円墳の迫力を感じることができます。
王墓山古墳は、その歴史的価値と美しい景観で、善通寺市を訪れる人々に忘れがたい体験を提供しています。古代の人々の営みに思いを馳せながら、現代の景色を楽しむ。そんな時空を超えた旅を、ここ王墓山古墳で味わってみてはいかがでしょうか。