宮古諸島の主島・宮古島には、かつて古代集落が営まれていた上比屋山遺跡が残されています。ここは14世紀から15世紀にかけての琉球王朝時代の集落跡で、当時の生活の痕跡が色濃く残る貴重な史跡です。
上比屋山の頂上付近に佇む遺跡は、茅葺きの建物が残る静かな空間。集落の様子が偲ばれ、太古の時代に思いを馳せることができます。周囲の木々の間から射し込む光は、まるで時間の彼方から注がれているかのよう。
遺跡では、集落の人々が祀っていた形跡が今も残されています。祭壇には定期的にお供え物が置かれ、レキシ(精霊)への畏敬の念が脈々と受け継がれているのです。歴史に思いを馳せながら、宮古の祭祀文化にも触れることができる、重層的な魅力に満ちた場所なのです。
茂みの中を進む必要があるため、長袖長ズボンの着用と虫除けスプレーの携行をおすすめします。また、祭祀の場でもあることから、静粛に振る舞うことが求められます。宮古の歴史に想いを寄せながら、大切に保たれてきた文化に敬意を払いましょう。