蒸気機関車はかつて全国の線路を力強く走り、人々の生活を支えた足でした。その勇姿を今に伝える蒸気機関車D51 349号機が、岡谷市福祉センター近くの広場に静態保存されています。
この349号機は、1940年に誕生した名機です。東京から札幌まで広く活躍し、終戦後は上諏訪や長野の路線で余生を過ごしました。1976年に引退を迎えた後、岡谷市によって保存されることになりました。
この車両が特徴的なのは、北海道仕様の除雪装置が装備されている点です。切り詰められた台車と、雪かきプラウが覚えさせられます。上諏訪時代にはユニークな煙突も取り付けられていたようです。
説明板は風化が進んでいますが、駆け抜けた路線や年代がわかります。計器類は残っていませんが、その貫禄は健在です。芝生の上に佇むその姿に、かつての活躍を偲ぶことができるでしょう。
この349号機に込められた鉄の魂は、過去を称え、未来へとつながっています。ぜひ訪れて、蒸気機関車の醍醐味に触れてみてはいかがでしょうか。