奈良県の中心地にあり、それでいて街の喧騒から離れた静かな佇まいが魅力的な依水園。都会にいながらにして、まるで時空を超えて古都の風情に浸れるこの場所では、日本の美しい庭園文化を余すところなく味わえます。
広大な境内を歩けば、池を取り囲むように築かれた小道が現れます。そこから望む池と築山の景色は、まさに絵画のよう。東大寺の南大門や若草山の眺めを借景に取り入れており、四季折々の自然の姿を凝縮した見事な作りです。
小道は次第に奥へと続き、行く手に新たな景色が現れる池泉回遊式庭園の妙味を堪能できます。鯉が泳ぐ池を過ぎれば、細い小路が視界をふと遮る。そしてその先には、雄大な後庭の景観が一気に広がるのです。
心を奪われるほど美しい景色の中に佇めば、まるで時の流れさえ止まったかのように感じられるでしょう。小川のせせらぎや鳥の声が、静寂な空気を包み込みます。
園内には茶室も併設されており、別料金で本格的なお点前と和菓子を楽しめます。窓からは池泉の景色が眺められ、至福のひとときを過ごせること間違いなしです。
依水園に併設された寧楽美術館では、日本の伝統美術品を多数収蔵しています。季節ごとの企画展を開催しており、日本文化を異なる角度から学ぶ機会を提供してくれます。
現代と古都の景色や空気が合体した、この町屋敷園は、奈良の代表的な観光スポットの一つ。是非訪れてみては、日本の美意識と庭園文化の粋を体感してみてはいかがでしょうか。