山手線の目黒駅から徒歩10分ほどの静かな住宅街に、"すし処 佐藤"はあります。目立たない看板と階段を上がった2階の入り口は、まるで隠れ家のよう。しかし、店内に足を踏み入れると、そこはまさに江戸前寿司の伝統と情緒が漂う空間でした。
L字型のカウンターを取り囲むようにネタが並ぶショーケース。豪勢なネタの種類の多さに目を奪われます。大将と息子さんがにこやかに出迎えてくれ、落ち着いた雰囲気に一層の安心感があります。
ここでは"おすすめ"メニューはありません。代わりに一貫ずつ好みを伝え、大将に握ってもらう贅沢な体験ができます。シャリは小ぶりながらネタの存在感は抜群で、一口に旬の味わいが詰まっています。穴子の絶品フワフワ食感、カワハギの肝醤油がけなど、どれを挙げても絶品の逸品ぞろい。
二人で2万円と、お値段は張る部類。しかし素材へのこだわりとネタの大きさ、丁寧な仕事ぶりを味わえば、その価値は十二分に納得できるはずです。通い続けたくなる、町の名店と言えるでしょう。
「店内撮影禁止らしく、店内の写真は、気付く前に撮ったのしかないのはご容赦下さい」(Yoji Takahisaさん)
おもむろに写真を撮ろうとしたら、店主から「撮影ダメですよ」と釘を刺されてしまいました(笑)。確かに昔ながらの雰囲気を残す空間なので、せっかくの味わい深い空間を写真に残すのは控えさせていただきます。