京都の春は、桜の名所が賑わう時期が過ぎると、静かな佇まいの花々に目が向けられます。その一つが、「なんじゃもんじゃ」の別名を持つ一つ葉たごの木です。この不思議な名前の花は、京都市左京区の静原町にある小さな公園に生えています。
一つ葉たごは、暖かな春の日差しを浴びると、白い細長い花びらがゆらゆらと舞い散る姿が見られます。まるで羽根が風に乗って踊るかのようです。地面一面を覆う白い花びらのカーペットに、訪れる人々は思わず足を止めてしまうでしょう。
この木は1991年に植えられました。それ以来、30年以上の時を経て、静原の人々に馴染まれた存在となっています。季節の移り変わりを静かに見守ってきたこの木は、京都の伝統文化への敬意を表す存在ともいえるでしょう。
桜の名所で花見を楽しんだ後は、ぜひこの「なんじゃもんじゃ」の木を訪れてみてはいかがでしょうか。穏やかな春の日差しの中で舞う白い花びらに、心も軽やかになることでしょう。京都の春はまだ終わっていません。この不思議な名前の花に出会って、春の余韻を味わってみませんか。