秩富の中心地にひっそりと佇む「団子坂」。この急勾配の石畳は、毎年12月に行われる秩富夜祭の山車が真っ直ぐに登り詰めるクライマックスの舞台です。
「団子坂」と呼ばれるこの坂は、高低差が3階建て家屋ほどもあります。秩富の伝統的な町家が軒を連ねる両脇を、総欅造りの重厚な山車が力強く登ります。前輪には舵がなく、巧みな技で後輪を浮かせ方向転換する様は必見です。
秩富夜祭の屋台囃子が田園に響き渡る中、団子坂の先には「お旅所」と呼ばれる広場が控えています。ここで6台の笠鉾山車が整列する光景は、言葉では言い表せない迫力があります。
勇壮絶景の舞台となる団子坂では、秩富ならではの祭り文化に触れることができます。荘厳な山車の行列と太鼓の響き、人々の熱気に包まれた空間はまさに一期一会の体験です。
一方で、横には江戸川乱歩の小説にまつわる逸話も。秩富に面白おかしい一面もあることを思い出させてくれます。祭りのエキサイティングな面と、ほっこりとしたユーモアが同居する情緒ある坂なのです。
幾多の歴史に彩られた秩富の風物詩「団子坂」。心に残る感動的な風景をぜひ一度お目にかけてみてはいかがでしょうか。
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