歴史ある教育の殿堂へタイムスリップ

堺の街に息づく教育の心

堺には長い歴史の中で、庶民の子供たちに門戸を開いた数多くの寺子屋があったそうです。その一つ、清学院は1573年に創立された名門で、江戸時代には武家階級の子弟だけでなく、町人の子供たちも学ぶことができました。当時の教育熱心な雰囲気が今に残る、重要な史跡です。

200年の時を越えた、懐かしい教室

清学院の敷地内には、200年以上の歴史を持つ古びた学び舎が現存します。天井の低い小さな教室に、アンティークの机と椅子が並びます。かつて江戸時代の子供たちがここで、読み書き算盤を学んだことを想像すると、なんとも懐かしい雰囲気が漂います。

世界を目指した僧侶の軌跡

清学院で学んだ河口慧海という僧侶は、明治時代に驚くべき行動に出ました。当時としては有り得ない試みで、世界の国境を越えチベットへ向かったのです。経文を求める彼の探求心に、当時の時代を飛び越えた自由な精神を感じずにはいられません。

祈りの心、不動に佇む

境内には「不動堂」という小さな堂宇があり、特別公開の際には中に入ることができます。由緒ある仏像が安置されているこの空間では、時が止まったかのような閑静な雰囲気に包まれます。ここには人々の祈りの心が重なり合い、不動の存在感を放っています。

文化の香り漂う庭園で一休み

敷地内の小さな庭園では、手入れの行き届いた草花が咲き乱れています。伝統的な造りの縁側に腰掛け、柔らかな風に吹かれながら一息つけば、昔ながらの文化の香りに包まれるでしょう。堺の町家歴史を感じる贅沢な時間を過ごせます。