高野山への旅は、壮大な大門をくぐることから始まります。高さ25.8メートルにも及ぶこの巨大な楼門は、まるで異世界への入り口のよう。両側に鎮座する迫力満点の金剛力士像が、訪れる人々を厳かに出迎えてくれます。大門からの眺めは絶景で、晴れた日には遠く紀淡海峡や淡路島まで見渡せるそうです。
西暦816年、弘法大師空海によって開かれた高野山。以来、日本仏教の一大聖地として、多くの人々の信仰を集めてきました。山全体が寺院となっているこの地では、至る所で悠久の歴史を感じることができます。金剛峯寺や根本大塔など、見所は尽きません。
高野山の中心とも言える奥之院は、弘法大師の御廟がある最も神聖な場所。杉木立に囲まれた参道は、まるで時が止まったかのような静寂に包まれています。夜には幻想的な雰囲気となり、昼とはまた違った魅力を味わえます。
高野山では、精進料理を味わうことができます。動物性食材を使わない仏教の教えに基づいた料理は、素材の味を生かした深い味わいが特徴。高野豆腐や胡麻豆腐など、高野山発祥の食材も楽しめます。
高野山での宿泊は、宿坊がおすすめです。僧侶との朝のお勤めや写経体験など、通常の旅館では味わえない体験ができます。心静かに過ごす時間は、日常から離れてリフレッシュするのに最適です。
高野山へは、難波駅から南海高野線で約2時間。ケーブルカーを使えば、山頂まで楽に到着できます。高地にあるため、夏でも涼しく過ごせますが、冬は寒さが厳しいので防寒対策は必須です。
高野山は単なる観光地ではありません。千年以上の歴史と信仰が息づくこの地は、訪れる人々の心に深い印象を残します。喧騒から離れ、静寂の中で自分と向き合う。そんな特別な体験ができるのが、高野山の魅力なのです。