伝統と趣の残る大正ロマン溢れる宿がここにある。山形県村山市の静かな田園風景に佇む「蔵民宿 あおやぎ」は、昔ながらの蔵を丁寧に改築した隠れ家的な宿だ。
民家の蔵は、何世代にもわたり受け継がれてきた歴史を感じさせる。この宿では、蔵の味わいのある佇まいを大切に活かしながら、現代の快適な空間へと生まれ変わらせた。柱や梁の木の素材感と、白漆喰の壁の質感のコントラストが印象的だ。
旅の疲れを癒やすのは、宿主夫婦の手塩にかけた家庭料理だ。山形県産の新鮮な食材を丁寧に調理し、器にも拘った一品一品が、まるで芸術品のようだ。特製の甘酒は和菓子との相性抜群。一口ごとに、人々の手間暇を感じられる。
宿には土蔵の趣を残しつつ、随所にくつろげる工夫が凝らされている。薪ストーブの前で本を読んだり、縁側でお茶をしびた空気を味わったりと、ごく普通の日常が非日常と化す。
山形旅行の締めくくりには、ここ蔵民宿であおやぎで味わうゆったりとした時間をおすすめしたい。日常から離れ、しばし心を解き放つことができるだろう。