奈良県橿原市の一角に広がる今井町は、戦国時代から残る町並みが国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている貴重な地域です。細い路地を行くと、格子戸の町家が立ち並び、まるで時空を超えたかのような気分に浸れます。この地で息づく歴史の重みを感じながら、一歩一歩散策を楽しみましょう。
今井町を歩くと、格子窓から女中さんの姿がちらりと見える光景に出くわすことも。時折聞こえる機織り機の音は、昔ながらの生活様式が今も息づいていることを物語っています。平生町育ちの作家・平塚雷鳥も、この町並みの風情を讃えています。
織田信長による攻め落とし工作を何度も受けながらも、今井町は最後まで守り続けられました。石畳の道には武者が上がってくる階段状の凹凸があり、町家の窓には狭間が設けられていて、からくり床や防火壁も残る。歴史の生き証人が随所に息づいています。
今井町では町家でお茶やそば打ち体験ができる施設も点在しています。料亭で昔ながらの懐石料理に舌鼓を打つのも風情があります。華麗な番傘行事があるのも目を引きます。歴史ある町並みを散策しながら、様々な体験を通じて町の文化に触れるのがおすすめです。
今井町を存分に満喫するには、まず「今井まちなみ交流センター 華甍」でガイドマップを入手することがポイント。ゆったりと散策しながら、路地裏に残る大切な文化遺産をひとつひとつ発見していく醍醐味があります。歴史好きにはたまらない町並みでしょう。