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世田谷区代沢の住宅街に佇む小笹寿し。このお寿司店は江戸前の伝統を守り続ける名店で、予約は一切受け付けていません。開店を待ち構えるお客さんの姿が、その人気を物語っています。
店内に足を踏み入れると、大将の凛とした風格に圧倒されます。しかし、実際に話してみると意外なほど優しい人柄。職人気質が感じられる大将は、寿司の一つひとつに哲学を持って向き合っています。
ここでは予め決められたおまかせコースはありません。メニューからお好みの寿司を選んで注文するスタイル。ネタの扱い方や味付けにも独自の解釈が注ぎ込まれており、本物の江戸前寿司の味を堪能できます。
注文を待つ間、先陣を切るのが絶品の前菜。鮑の肝や雲丹を使った贅沢な一品は、職人の技が光る逸品です。アナゴの香ばしいきじ焼きも絶品で、一緒に供される塩胡瓜との相性も抜群です。前菜だけでも大満足の味わいです。
いよいよ本命の寿司がつく頃になると、シャリとネタが口の中で調和しながらとろけていく絶妙な味わいに酔いしれます。お勧めは鯵と鯖。独特の旨みと薬味の食べ合わせが印象的です。鯛や車海老、穴子なども隅々まで職人の技が光る一品です。
リーズナブルな価格設定にもかかわらず、一流の味は変わらず。店を出る頃には、江戸っ子の心が十分に満たされた心地よい満足感に包まれることでしょう。都内でこの上ない贅沢な体験ができる、そんな名店です。