唐川城跡は、歴史ロマンにあふれる城跡として知られています。雑木林に囲まれた城址からは、遠くに十三湖の風景が望め、まるで時空を超えた別世界に迷い込んだかのような不思議な雰囲気を味わえます。城跡へ向かう小道を進むと、ジグザグの道標がぽつりと残る中世の面影に出会えるでしょう。
この城は、15世紀の安東氏の居城でした。安藤盛季が南部義政から十三湖を攻められ、ここに退却したと伝えられています。その後、柴崎城に移り、更に蝦夷地へ逃れたとの記録があり、盛季の生涯に謎が残されています。また、盛季の子・康季も津軽奪還を目指しましたが、戦いの最中に病没したと言われています。
現地では、中世の面影をしっかりと感じ取ることができます。中央郭には往時の放牧場の名残が見られ、富山大学による発掘調査の痕跡も確認できます。ただし雑木林が手入れ不足のため、眺めを遮っているのが残念です。整備が進めば、この城跡から十三湖の素晴らしい眺めを堪能できるでしょう。