瀬戸田にある禅宗様式の「信楽殿(大講堂)」は、京都の日野法界寺に似せて建立された由緒ある建造物です。朱色の優美な外観と、内部の緻密な装飾美が魅力的な観光名所となっています。
赤絵の格子戸や彫り物、木鼻が施された屋根など、信楽殿の建築様式は日光東照宮を連想させます。小さな庭園に囲まれた静かな雰囲気の中で、この建物の佇まいを独り占めできるのも魅力的です。
内部に入ると、京都の工芸技術の粋が随所に見られます。天井の懸魚、障子の絵柄、精緻な螺鈿細工など、細部にまでこだわった装飾が施されています。座禅の様子を想像しながら、この空間の持つ禅的な美しさに思いを馳せましょう。
信楽殿の周囲には、瀬戸内の秋を堪能できる小さな庭園が広がっています。紅葉がはじまる季節には、この地で最も美しい紅葉スポットと賓されます。のんびりと散策しながら、季節を肌で感じることができるでしょう。
尾道駅から車で約20分の場所にあり、瀬戸内の小京都・尾道の街並みも近くにあります。歴史的な建造物を拝観した後は、おしゃれな町家カフェで一休みするのもおすすめです。
禅宗の世界に触れられる貴重な場所である信楽殿。建築美と内装の細工、そして秋の景色が織りなす風情に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。