秋田県山本郡三種町の静かな田園地帯に、松庵寺という曹洞宗の古刹がたたずんでいます。創建は天文年間(1532~1554年)と伝えられ、寺院の歴史は実に400年以上に渡ります。境内に足を踏み入れると、緑濃い松林に囲まれた佇まいに、時が止まったような静寂の世界が広がります。
本堂には、御本尊の釈迦如来像が安置されています。木造の建物は江戸時代の雰囲気を色濃く残し、座禅や伝統的な仏教行事が今も営まれています。隣接する書院は、格子戸から射し込む陽光が柔らかな光景を演出します。
参道の両脇を薫る大きな松林は、訪れる人々を垢離れた境地へと導いてくれます。歩くごとに深まる樹々のひんやりとした空気に、一服の清々しさを覚えます。
観光客に人気なのが、寺院内に設けられた「寺カフェ」です。座禅体験や写経などの体験メニューと併せて、境内の縁側で不定期にライブイベントが開かれ、寺の新しい魅力となっています。
松庵寺へは秋田空港から車で約1時間、秋田新幹線羽後町駅から車で30分ほどとなります。ドライブがてら立ち寄るのがおすすめです。
四季を通じて違った表情を見せる松林は、いつ訪れても素晴らしい景色を望めます。特に新緑の5月と紅葉の10月が人気の季節で、5月第1土曜日には「松庵寺まつり」が開かれ、寺内外でイベントが行われます。
歴史と自然が息づく秋田の寺院で、誰もが心を癒やす旅を体験してみてはいかがでしょうか。
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