東京の下町情緒が残る愛宕エリアには、歴史ある梅の名所があります。それが愛宕神社境内の「将軍梅」です。この梅は江戸時代に曲垣平九郎が将軍・徳川家光に手折りを献上したという逸話が残る、由緒ある梅の老木なのです。
曲垣平九郎は讃岐国丸亀藩の侍で、1629年のある日、急勾配の愛宕山を馬で駆け上がり、この梅の枝を手折りました。そして将軍の家光に献上したとされています。その時の平九郎の足跡が今に伝わるのが、この将軍梅なのだそうです。
梅の季節になると、将軍梅は鮮やかな花を咲かせ、参拝客を魅了します。境内を散策しながら、この歴史ある梅の姿を眺めるのは格別の体験です。参拝の後は茶屋で一服。寒空の下で甘酒を味わえば、江戸情緒に浸ることができるでしょう。
将軍梅を中心に、愛宕エリアには下町の風情を感じさせる梅の名所が点在しています。歴史ロマンに思いを馳せながら、梅の名所めぐりを楽しんでみてはいかがでしょうか。