尾道を代表する風景の一つ、天寧寺の三重塔。瀬戸内海に面した坂道から望む塔の優雅な佇まいは、まさに尾道の魅力を凝縮したかのようです。室町時代に建立されたこの塔は、当初は威風堂々たる五重塔でした。しかし時代の荒波に曝され、江戸時代の改修で上部2層を失いました。それでも今なお、あたりの景色に調和しながら、かつての荘厳さを物語る存在感を放っています。
三重塔は芸術家の魂をも捉えてきました。日本画家の平山郁夫は「しまなみ海道五十三次」の2点で、この塔を主題に取り上げています。千光寺公園から望む塔の風景は、確かに絶景です。尾道の町並みと瀬戸内海を借景に、塔が雄大に聳え立つ様はまさに一見の価値があります。
三重塔への小道は狭く、周りは静かな墓地が広がっています。だからこそ、ゆっくりと歩を進めると、塔が伝える長い歴史の重みを感じ取れるでしょう。塔の近くに立ち、目に収まる美しい彫刻を眺めるひと時は、喧騒を忘れさせてくれることでしょう。
三重塔を訪れるなら、ぜひとも本堂のある天寧寺へも足を延ばしてみてください。塔を別の角度から眺め、古刹の趣に浸ることができます。時を越え、人々を魅了し続ける天寧寺三重塔。その美しさに酔いしれてみるのはいかがでしょうか。
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