早川町の奥座敷、奈良田にひっそりと佇む歴史民俗資料館。険しい山岳地帯に暮らしてきた先人たちの生活の知恵が、この小さな館に凝縮されています。
入館すると、まず目に飛び込んでくるのが焼畑農業の映像です。奈良田の人々が、これまで知恵を絞り、命がけで生き抜いてきた姿が逞しく映し出されています。原始的ながらも、大自然との闘いの中で編み出された生存の知恵に、生の原点を見る思いがします。
この地には、1200年もの歴史があります。孝謙天皇が病気平癒のため訪れたという伝説からも分かるように、昔から霊験あらたかな土地だったのです。すぐ近くに湧く「奈良田の里温泉」は、トロリとしたヌルヌル質の湯で有名。疲れた体を癒してくれることでしょう。
人口密集地から遠く離れた山村ならではの、独自の文化を垣間見ることができます。古民家を利用したカフェで入場券を買い、自分で館内の照明のスイッチを入れながら見学する斬新な方式も、そうした地域性から生まれた発想なのかもしれません。
山奥に点在するこうした小さな資料館を訪れることで、日本列島にはいまだ見過ごされがちな、多様で興味深い地域文化が息づいていることを実感できます。ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
Provided by Google