炭火で焼き上げられた名物焼き鳥と季節の逸品が楽しめる名店「焼き鳥 山はしる」。この穴場的な空間にたどり着くまでには、少し冒険が待っています。
入り口がわかりづらい、この焼き鳥店。看板が無いため、地元の人しか知らない秘密の場所のようです。しかし、一歩中に入れば、そこには静かな落ち着いた空間が広がっています。カウンター席のみの小さな店内は、まるで長年の醸し出された雰囲気に包まれています。
焼き鳥は、鶏肉をじっくりと焼き上げる職人技が光ります。肉をたっぷりの水に落とし、また焼く。この繰り返しによって、肉本来の旨みが凝縮されていきます。タレは使わず、素材の味を引き立てる塩だけの焼き上がりは、絶品の出来映えです。
焼き鳥だけでなく、季節の食材を使った逸品の数々にも注目です。貴重な国産のセルフィーユルートは、栗やユリのような上品な甘みが特徴。夏なら新鮮な三つ葉とマスカットのサラダも登場します。旬の恵みを活かした一品一品に、職人の遊び心が感じられます。
料理同様、器にもこだわりが光ります。大将自らが手がけた備前焼の食器は、温かみのある佇まいが印象的です。店内に置かれた龍のオブジも、大将の個性的な雰囲気を醸し出しています。
「焼き鳥 山はしる」は、隠れ家的な存在感があるからこそ、愛される名店なのかもしれません。焼き鳥の名手による技と情熱、そして遊び心に富んだ料理が、ひとつの空間に凝縮されています。